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2008年8月27日 (水)

動画には手を出せません

昨日はキヤノンから EOS 50D が発表され、今日はニコンから D90 が発表された。どちらも発売は9月下旬(D90 は9月19日と発表)である。この2機種はクラスが違うというか、カメラとしての方向性がまるで違うので、どちらを買うか悩む人は少ないと思うが、こういう状況を見ていると、やはり今のデジタル一眼レフ業界を牽引しているのは、この2社なのだなぁと感じる。

EOS 50D は基本的に 40D のメカニズムを大きく変えずに、エレクトロニクス系だけで、出来るところまでやったという感じだ。40D の発売からわずか1年で後継機種なので、そうならざるを得ないのだろうが、EOS 40D が、価格がずっと上の Nikon D300 に販売数で負けっぱなしで、スペック的に格下で1年も古い Nikon D80 にも負けており、価格の下落が止まらないので、なんとか高価格維持できる商品を投入したかった、という焦りが見え隠れする。しかしまあ、それでもわずか1年で後継機を出せてしまう、キヤノンの底力はすごいと思うが。

でもキヤノンファンのホンネとしては、Nikon D300 より少し高くなってもいいから、メカニズム的にも D300 を完全に上回るカメラにして欲しかったのではないだろうか。それはもちろん1年では無理なので、今 EOS 40D を持っていて、Nikon D300 を超えるメカニズムを欲しい人は、次の機種まで待ってもらおうということだろう。

さて、これに対し Nikon D90 の方は、まさに場外乱闘と言う感じだ。デジタル一眼レフに動画撮影機能を組み込んだら、もちろん比較対象は存在しないので、店頭販売はしやすいだろう。「動画も撮れる一眼レフは、世界でこれだけです。」とポップを貼り出せばいいのだから。

しかしそれも本来の静止画撮影がそれなりの性能であることが条件だ。なんといっても前機種 Nikon D80 は異例の長寿機(販売台数が落ち込まなかったと言う意味で)で、同時期の他社のカメラと比較しても、特に際立った特徴はなかったのに、基本性能がしっかりしており、手にとって使ってみると、実に安心感のあるカメラだった。少なくとも、この部分はしっかり引き継がないと、オマケギミック(動画)だけでは、客は引き止められない。

そしてここでもニコンは前回の Nikon D80 のときと同様、実にうまい具合に立ち回った。D80 が今でもなお販売数が落ち込まないのは、センサーから画像処理回路までを、上位機の Nikon D200 からそっくり受け継ぎ、より鮮やかで明るい色調へチューニングして(私はそれが気に入らなかったので D200 を選んだのだが)、宣伝文句にも、しっかりと「D200 から引き継いだ」と謳ったことで、顧客に価格以上の満足感を与えたのだ。D200 ほどの大げさなボディやメカニカルレスポンスは必要ないが、D200 と同じセンサーで同じ(もっとキレイな)絵が撮れる。しかも値段は3分の2だ。これはものすごくお買い得感を与えるだろう。

今回の Nikon D90 も、全く同じ手法をとった。つまり20万円近い高価格のわりに、ベストセラーで画質も非常に評判のいい Nikon D300 と、ほぼ同じセンサーと画像処理回路を引き継ぎ、やはり D300 の3分の2の値段で買える。しかも今回連写性能が格段に向上していて(4.5コマ/秒)、エントリークラスとは一味違う。これはウケるだろう。それに加えてなんだか凄そうなハイビジョン動画である。

先のことはわからないが、やはり今はキヤノンよりニコンの方が波に乗っているという気がしてならない。しかしなぜキヤノンは、全機種異なったセンサーを載せないと気がすまないのだろう。センサーを内製化しているキヤノンは、主にソニーから調達しているニコンなどと比べると、1個あたりのコストが非常に高いはずである。もちろんセンサーを変えれば画像処理回路も変わるし、そのためのソフトウェアも変わってしまう。一眼レフカメラというのは、本来機能やレスポンス、耐久性などで差別化されるものであって、どのカメラで撮っても、同じ条件なら出来上がる写真は同じで構わないはずなのだ。高価なカメラほど画素数が多くなければならない理由など、どこにもないし、むしろそれはキヤノンが自ら作ってしまったヒエラルキーではないだろうか。ニコンなど、一時は D200、D80、D40x、D60 と、4台のまるで値段もクラスも違うカメラに、基本的に同じセンサーを載せていた。それで顧客がすべて(センサーが同じなら)一番安いカメラを買うかというと、前述の D80 の売り上げが、そうでもないことを証明している。

キヤノンもそろそろソニーからセンサーを仕入れて、カメラ作りに専念した方がいいのではないだろうか。フィルム時代はそうやって各カメラメーカが競争していたわけだし。

というわけで、ニコンユーザの私は、今使っている D70 の代替機として D90 は気になるのだが、D300 の51点3D-トラッキングに非常に憧れており、やはり買うなら D300 かなと。しかしそうなると D70 の代替ではなくなってしまい、むしろ D200 が不要になりそうだ。じゃあ何のために買い換えるのか、ということになってしまい、結局しばらくは今のまま使い続けるしかないのである。

ところで、動画撮影は、面白いかもしれないが、実はものすごく面倒だ、ということに D90 のユーザは気付くのではないだろうか。私は残念ながら動画を撮る根性はないのだ。撮るためのセットアップ(部屋中の散らかったものが写りこむので、まず整理整頓から始めなければならない)、撮影後の編集(素人の未編集の動画ほど見ていて苦痛なものはない)まで、とてもではないが、今持っている COOLPIX の動画ですら、撮るのに躊躇してしまうのである。私の知り合いで D90 を買う人。お願いだから、未編集の子供の運動会の動画など、絶対に見せないでください。

2008082701昨日に続き、今日も朝から蒸し暑いので、ネコはやる気がなさそうだ。もっとも涼しくなっても同じだろうが。

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