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2006年11月24日 (金)

単焦点1本勝負

2006112401 名古屋駅前のクリスマスイルミネーション。光量不足はわかりきっていたし、今日は奥さんをモデルにして撮る予定だったので、D200 に Ai AF Nikkor 85mm F1.8D を付けて出かけた。

F1.8 という開放値のおかげで、ISO 400 で十分手持ち撮影できたのだが、右上には、ボケた光源による口径蝕がはっきり現われている。しかしそれ以上に問題なのが、画面左上の派手なサジタルコマフレアである。この部分だけ拡大してみたのが2枚目の写真。

2006112402 見事に光の蝶が羽ばたいている。

ズームより単焦点レンズの方が明るく高性能だという意見を、ネットでも良く見かけるが、果たしてそれは本当だろうか。問題なのは、単焦点レンズに関しては、各メーカとも光学設計が非常に古いものが多いということである。

先週も同じ場所で同じイルミネーションを、ニコンのデジタル用標準レンズともいえる、AF-S DX Zoom Nikkor 18-70mm F3.5-4.5G で撮ったのだが、開放でもこのようなサジタルコマフレアはほとんど現われない。このレンズは ED レンズ3枚に、非球面レンズ1枚を使った贅沢な設計である。それに比べて、今日使った 85mm は、フォーカシングに RF 方式こそ採用しているが、光学的には何も特殊なレンズを使用していない。きわめて凡庸な設計である。もちろん 85mmという焦点距離では、通常の撮影ならそれで十分な画質が得られるのだが、暗闇の中に点光源が無数にあるクリスマスイルミネーションではそうは行かない。

かつて夜景を撮るために、Noct Nikkor 58mm F1.2 という、非常に高価なレンズがあった。このレンズは、開放時に夜景の点光源でサジタルコマフレアを極力出さないように、高価な切削非球面レンズを採用している。つまり、夜景を撮るということは、かつてはそれほど特殊なシチュエーションだったのだ。ところが現在はプラスチックレンズの貼り合わせによる複合非球面レンズや、溶融ガラスをそのまま非球面形状に硬化させるガラスモールド非球面レンズが、普及価格のレンズにも採用されている。そして一眼レフをレンズキットで購入する初心者が、いきなりクリスマスイルミネーションを撮るのも珍しいことではない。

つまり非球面レンズがあたりまえの時代に誕生したズームレンズと、非球面レンズが特殊な時代に誕生した、普及価格の単焦点レンズとを比較した場合、確かに開放F値こそ単焦点に分があるが、同じF値で撮影した場合の画質については、最新のズームレンズの方が有利なのではないかと考えられるのだ。

今回の撮影では厳密なテストをしていないが、もし 85mm でサジタルコマフレアが現われないところまで絞って撮影した場合、それがズームレンズの開放値よりも暗かったら、単焦点の方が高画質であるとは言えなくなってしまう。

もちろん開放値が明るいというメリットは捨てがたいので、それだけをもって単焦点の負けとは言わないが、少なくとも単焦点の勝ちでないことだけは確かだ。

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