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2006年9月15日 (金)

M8

Leica M8 が発表された。当然 M7 の後継機だが、デジタルカメラである。ずいぶん前からあちこちの掲示板で噂されていたが、私はてっきり冗談だと思っていた。もっとも R8, R9 のデジタルバックはすでに発売されているし、パナソニックとのダブルブランドでコンパクトデジタルはずいぶん前から販売しているので、M シリーズのデジタルができない理由は何もないのだが。

ただ、どう考えても M シリーズというカメラは、デジタルカメラと対極に位置しているように思えて仕方なかったのだ。つまりデジタルカメラが、何よりも撮影から写真作成までのプロセスの高速化を売り物にしているのに対し、M シリーズは、それらのプロセスそのものを、時間をかけて楽しむのが目的であるかのように言われているから。

より高画質に、高速に、便利に(作成プロセスの自動化)、しかも安くなるために、半年毎に代替製品が登場するデジタルカメラ市場に対し、M シリーズは1台買ったら一生とは言わないまでも、通常は買い替えを想定していない。だからあの値段でも買う人はいたし、メーカも生産台数を考えたら、安く売ることなど到底不可能だっただろう。

したがってもし M Digital が出たら、世間一般の CCD の画素数が上がるたびに新型を出すのだろうかとか、CPU が高速化されて、画像処理エンジンが改良されるたびに新型を出すのだろうかとか、メモリーカードが大容量化されるたびに、それに対応した新型を出すのだろうかとか... そう考えると、M Digital はあり得ないなと思っていたのだ。New M Digital MarkII s specV とか、絶対にユーザは受け入れないだろうから。

しかしライカはデジタルをそうは考えなかったのかもしれない。今回の製品、名前は M8 であって、決して M8 Digital とかではない。M6 で TTL、M7 で AE、そういう流れで M8 でデジタル化したのではないかと。写真を楽しむユーザの受け皿が、フィルムからデジタルに変化したので、カメラを提供するメーカとして、それにあわせた製品を発表しました、ということなのではないか。日本のメーカが先を争ってユーザをデジタルに導いたのとまったく逆の考え方なのかもしれない。

だから3年後にコンパクトデジタルの主流が2000万画素になっていても、今年 M8 を買ったユーザは、1000万画素の M8 を、古いと思ったりはしない。最初から時代遅れ(市場ができてから発売されたという意味)なのだから。これはこれでいいのかもしれないと思えるようになってきた。

しかしそれでもわからないのは、いったいライカは M8 を何年間製造するつもりなのだろうかということだ。フィルムカメラなら、自社努力だけで20年間同じものを製造し続けることも可能だが、デジタルとなるとそうは行かない。M8 の CCD や 画像処理回路がどこの電気メーカのものかは知らないが、同じ電子部品を2年以上継続して供給し続けるというのはかなり難しいに違いない。もしかしたら M8 はイヤーモデルで、内部は毎年(電気メーカの都合に合わせて)変更されていくのかもしれないな。ユーザにとってはそういうことはどうでもいいことだろうから。

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